前回、グリッドノートをより活用してもらうために、直線で作る幾何学模様を実際に描いてもらいました。
直線ならマス目をなぞったり角をまっすぐ繋げるだけなので、わりとどなたでも描きやすかったと思います。
しかし、前回は直線の描き方だけで終わってしまいました。
もう一つ描けるようになれると良いのが、曲線です。
今回は曲線にスポットを当てて実践ワークをしていきます!
ただ曲線は、フリーハンドか道具を使うのかなど、描きやすいと感じる方法が人ぞれぞれ違うため、私の普段の描き方が必ずしも皆さんにとって描きやすいとは限りません。
直線と違って、曲線は利き手も影響するためより人によっての描きやすさに違いが生じてしまいます。
念のため、そのことを頭の片隅に置いて読み進めていただけると幸いです。
曲線の描きやすさは人それぞれ …。
この記事を書く前に、普段意識してフリーハンドで曲線を描くことが少ない人の感覚を知りたく、試しに普段絵を描かない家族に描いてもらいました。
同じグリッドノートの紙に私が描いた曲線を真似してすぐ隣に描く、ということをしてもらいました。
グリッドノートならどのマス目をどのくらい使っているかなどがわかりやすいかと思い、同じ紙に同じように描いてもらいましたが…
私が思っていた以上に壁があることがわかりました。
「これなら慣れてない人でも描けるようになるはず!」と踏んでいた描き方でも「全然同じに描けないんだけど。」という反応でした。。
もちろん個人差はありますが、普段絵を描かない人からすれば曲線を描くということすら日常では滅多にないと思います。
なので、この曲線を描く感覚をどう伝えれば良いか、実はけっこう悩んでいました。
サラっと好きに描ける人もいれば、どう描き始めれば良いかで悩む人もいると思いますが、とりあえず今回はフリーハンドならこれが一番描きやすいかもと家族が言っていた方法をお伝えしようと思います。
全くの初めての方には、ある程度の目安をつけながら描けるグリッドノートは無地の紙に描くよりかは描きやすいのかなと思います。
そこで今回もグリッドノートを使って曲線を描く実践ワークを行いたいと思います。
必ずしも全員にとって描きやすい方法ではないのですが、フリーハンドで曲線を描く方法の一つとしてご覧いただければ幸いです。
点と点を結ぶ曲線。
ワーク1:曲線の描き方=角と角をゆったりと繋ぐ
グリッドノートで直線を描くのと同じように、マス目の角と角をつなげるという要領は同じです。
ただ、まっすぐ繋げてしまうとただの直線になりますので、まずは下の画像をじっくり見てみてください。
じっくり見れば、角と角を繋げている感じが見えてくると思います。
ただ直線とは違い、その角と角をゆったり線を曲げながら繋げているのです。
赤い線が直線、青い線がゆったり曲げた曲線です。
それだけの違いなのですが、慣れていない方には少しコツがいるかもしれません。
もし描き方がイマイチ掴めないという方は、以下の手順でやってみてください。
ワーク2:点と点を繋げてキレイな曲線を描く
上の画像の曲線と同じものを描きたいと思います。
- 曲線をよく見て、マス目のどの部分に線が通っているかを確認。
- その線が通る箇所に、点をつけていく。
- 点と点をゆったりとした線で繋げる。
- 点を取れば曲線ができる。
今回はわかりやすく、点を赤・曲線を青で示しました。
※もし後から点を消して確認したい場合は、点はシャーペンか鉛筆・曲線はボールペンなど消しゴムで消せない筆記具で描いてみてください。
この要領で、点を少しずつ減らしながら描いてきましょう。
何度も何度も描いていくと、曲線を描く感覚が手でも覚えられるようになります。
ただこれは参考にする曲線がある場合のやり方なので、一から描くとなるとどこに点をつればいいのかイマイチわからないかもしれません。
その場合は、キレイに描こうと思わなくて大丈夫ですのでまずは好きに描いてみてください。
適当に好きなところに点をつけて、その点と点をゆったり繋いで描きます。
画像のように、自由に点を打ちましょう。
なんとなくこの辺につければ曲がるかな、という感覚で順々に点をつけてみてください。
それらをまっすぐではなくゆったりカーブを付けながら繋げていくのです。
こうして見ると、なんとなく文字の練習と似ているんですよね。
慣れるまでは何回も描く必要がありますが、描いていくうちに手が感覚を覚えていきます。
また逆にこの場合はマス目がない方が描きやすいかもしれませんので、もしできそうなら一度無地の紙にも描いてみましょう。
それで思うように曲線が描けるなら、グリッドノートを使わなくても全然OKです!
これらはあくまでも曲線が描けない方に向けた、慣れるまでの描き方です。描ける方はスルーしていただいて構いません。
自由に点を打つ描き方で曲線に慣れてきたら、もう一度最初の型にはまった曲線もいくつか考えて描いてみましょう。
ちなみに、上下左右とも同じマス目の数の正方形に収めて描くと考えると思いつきやすいです。
曲線に関しては、量をこなす事が上達する一番の近道です。
なので今は曲線に慣れるまでとにかく描きまくってください。
何度も言ってしつこいかもしれませんが、描く事を繰り返すと手が感覚的に描き方を覚えていくので、そうやって私も曲線の描き方を身につけてきました。
始めからキレイに描こうと思わなくて大丈夫です。
とにかく色々な曲線をたくさん描いてみてください。
曲線だけで作れる模様を描こう。
たくさん描いて慣れてきたかな?と思えるくらいになったら、直線と同じように曲線だけで作る模様を考えていきましょう!
ワーク3:曲線だけで形を作る
曲線だけでも十分、模様は作れます。
要領は直線の時と同じで、まずは曲線だけで出来る形を考えます。
前回と同じように 『同じ形を繰り返すと模様になる』これをもとに考えていきます。
まずは曲線を一つ描き、それと同じものを上下左右に繰り返して描きます。
下の画像と同じものを描いてみてください。
※線対称に上下左右と同じ曲線を描くのですが、線対称の描き方は、このあとの〈ワーク5〉で記載してますので、うまくできないという方は先に進んで参考にしてみてください。
描けましたら、これを繰り返しで繋げてみます。
ワーク4:”繰り返し”を使って模様を作る
繋げ方のバリエーションは様々ありますが、まずはわかりやすくただ並べてみます。
どうでしょうか?
並べるだけでタイルのような模様が出来上がります!
前回の直線での幾何学模様もそうでしたが、簡単な形でも並べるとタイルっぽくなるのが模様の面白いところです。
では、違う並べ方も考えてみましょう。
これはいかがでしょうか?
先ほどのただ並べただけの模様を、下に重ねるように隙間に描いていっています。
だいぶ印象が変わりますよね。より複雑そうに見えますが、構図がわかっていれば単純な描き方なのです。
そして、直線でただ並べるだけではなく、サークル状に繰り返せばまたイメージがガラっと変わりますし、一つの形で色々な模様が作れるところが面白いのです。
一つの図形・形だけで様々な印象の模様が作る実践ワークも、今後記事にしていきます!お楽しみに。
ついでに、下のような形のパーツも追加してみましょう。
最初の形とそれらを組み合わせると、、
空いてる部分に新しい形を追加してみました。
よりタイルっぽくなったように見えます!
こうやってパーツを追加したり組み合わせを変えれば、基は同じ形でも違う印象の模様を作ることができます。
他にも様々な形を考えて、それを並べたり重ねたり色々試しながら模様を作って見ましょう。
線対称に同じ曲線を描くには。
こうやって描いてみると、模様の作り方自体は直線の時と変わらないと感じると思います。
大事なのは『同じ形の繰り返しで模様を作る』という点です。
一つの曲線でまずは簡単な形を作り、それをいろんな並べ方・組み合わせ方で模様を作っていきます。
直線ほど簡単にできないと感じるかもしれませんが、グリッドノートのマス目を使いながらいろんな形や大きさの曲線を模様にしてみてください。
ワーク5:マス目を使った簡単な線対称の描き方
ちなみに、線対称に同じ曲線を描くにはどうすれば良いか、簡単にご説明します。
かなり地味な作業ですが、線対称にしたい線が「横に何マス・縦に何マス使っているか」「マス目のどの辺にどう線が通っているか」などを確認しながら、隣にひっくり返して同じように描くという非常にそのまんまな技を使います。笑
最終的には転写(トレーシングペーパーなどで描き写す)をすれば良いのですが、簡単な曲線なら描けて損はないので、とりあえずやってみましょう。
下の画像は、線対称で描くときに何に注意しているかを図で表したものです。
この時、グリッドノートのマス目が非常に活躍します。
自由に曲線を描くだけならマス目がない方が描きやすい場合もありますが、同じように隣に描きたい時はマス目を地味に見つめながら描くので、非常に便利です。
少し根気が入りますが、単純な曲線なら感覚的にどこを描けば隣と同じ線が描けるかが比較的わかりやすいと思います。
じっくり見ながら隣に同じように描いてみる。これを繰り返してみてください。
複雑な線になるとマス目だけではなかなか大変なので、その時はトレーシングペーパーなどで転写を行います。
とりあえず今は、フリーハンドで描く簡単な線対称を練習してみましょう!
まとめ。曲線が描ければ模様作りの幅が広がる!
今回は、直線の時と同じようにまずは曲線の描き方に慣れてもらい、そこから簡単な形を作り、それらを繰り返すことで模様を作る、という流れのワークを行いました。
- 曲線の描き方=角と角をゆったりと繋ぐ
- 点と点を繋げてキレイな曲線を描く
- 曲線だけで形を作る
- ”繰り返し”を使って模様を作る
- マス目を使った簡単な線対称の描き方
もうわかると思いますが、直線と曲線を組み合わせればもっといろんな模様を描くことができるようになります。
ただ曲線は直線ほど簡単に慣れないかもしれません。
直線とは違い、手で覚える感覚がより強く必要となるからです。
グリッドノートを使えば、完璧とまではいかなくてもそれっぽい曲線が描きやすいと思います。
今回お伝えした曲線の描き方を、慣れるまで反復してもらえればあとは手が勝手に覚えていきます。
ですのでぜひ、グリッドノートも活用しながらできるだけたくさん描いてみてください。
曲線を自在に描ければ、模様作りの幅が広がってより楽しくなります!
根気よく続けていきましょう。