お久しぶりです。だいぶ投稿が空いてしまいました。
特に模様の描き方については、最後の記事からかなりの月日が流れてしまいましたので、今回はまずエンジンをかける意味で「模様の描き方」について少し語らせていただきます。
既視感のない模様とは?
『模様』と聞いて、みなさんはどの様なデザインを思い浮かべるでしょうか。
曼荼羅模様や民族的な文様、または幾何学模様もありますよね。
その他にもアンティークっぽい西洋風の模様や、ウィリアムモリスの様な花や鳥などの自然がモチーフの可愛くておしゃれな模様などなど。
『模様』と一概に言っても、世界には数えきれないほどのデザインであふれています。
ただ、いずれにしても商品パッケージや洋服のデザインなど、どこかで見たことのあるデザインを思い浮かべる方が大半だと思います。
『模様』というのは何かを装飾するために生まれたデザインの一種であるので、『模様』自体に個性というか、独創性(オリジナリティ)というモノは必要がないというイメージを持たれる方も多いと思います。
しかし私は「オリジナリティのある『模様』を描いている」と自負しています。
突然なに? という感じかもしれませんが。笑
実は私には「模様の描き方をこのブログで発信しよう」と決めてから、思いついた事があります。
それは、「独創的で自由度の高い、面白い模様が描けるハウツーブログにしたい」ということです。
とてもザックリな目標ですが、そう考えた理由は世間に出回っている「模様の描き方」の書籍やネット記事がきっかけです。
これまで独学で描き続ける中あえて触れてこなかったモノですが、ブログを立ち上げてからそれらに改めて目を通したところ、少し感じたことがありました。
”個性がない”は誤解。既視感あるデザインだけが模様じゃない
昨今、ちょっとした模様デザインはフリー素材などで簡単に手に入る時代です。
そんな中でも、「趣味として描いてみたい」とか「自分で描ける様になってデザイン料の出費を抑えたい」とか、模様を自分の技術にしたい人向けにネットや書籍でたくさんの『模様の描き方』という内容の情報が出回っています。
しかし色々と調べていくうち、それらは模様の構成(法則性)に関する内容だったり、曼荼羅模様やゼンタングルや幾何学模様といったすでに存在している模様デザインの描き方(真似事)がほとんどでした。
「一から自分の頭で考えて模様を生み出す」ということに焦点を当てた内容は少ない(というかほぼ無い)のが分かったのです。
無難で使い勝手の良い模様は必要とされているけれど、変わったデザインの模様は需要がないのだろうという印象も受けました。
それが非常に残念でならなかったのです。
というのも、『模様』は描き方によっては既視感のあるデザイン以外にも色んな柄が無限に生み出せて、人によって様々な個性が出せる面白い制作技法でもあるからです。
ハウツー本がすでに存在する模様デザインの真似だけなら、模様制作はその程度の創作だと思われても仕方がありません。
人によって個性が出せるという点には触れずに既存の模様の真似だけではつまらないですし、何よりそれが「模様制作」の面白さが伝わり切れていない原因なんだなとも感じます。
それらのことが、オリジナリティのある自由で面白い模様の描き方を発信したいと考えた理由です。
描き方の前に自分の作例からご紹介
当ブログではまだ基本的で簡単な模様の描き方の序盤しか紹介していませんが、いずれは自由で面白い模様の描き方をメインテーマにしたいと考えています。
基本を抑えておかないと突飛なデザインというのは制作しにくいので、なかなか急にはできないのが実情です。
しかしそれより前に、今までの自身の制作実例から「自由で面白い模様」とはどんなものか?それは伝えられると考えました。
ここまでの内容、「世の中の教材がそんなにつまらないなら、どんな模様を描いているんだ?」と言われかねない発言でしたので(笑)、今回は自分がどんな模様を作品として制作してきたか、その一部を紹介させていただきます。
なぜ似たような模様が多い?それは模様の構造にあり。
中学生の頃に模様を描くことにハマってからずっと描き続けるなか本当によく感じるのは、模様はオリジナリティを出しにくいということです。
自分で考えて作った!という模様も、よく調べたらとても似ているデザインがすでにあったり、自分だけの模様を作るということの壁の高さを感じたことは何度もありました。
そうなる原因はおそらく、模様の構造にあります。
ほとんどの模様が一部のパーツの繰り返しで成り立ち、その繰り返し方法もパターンが決まってくるので、そうなると人の考える事というのは似てくるわけです。
詳しくはこちらの記事にも紹介しています。
また一般的に模様は装飾というデザインなので、主役にならない分”独創性”が必要とされていないというのも既視感あるデザインが溢れる一つの要因でもあります。
ただ私の場合はずっと独学で模様だけを描いてきたせいで、『模様だけで作品を作る!』という変なクセがついてしまい、そのためには他と被らないような独創性のある模様を描くことが必須となっていきました。
始めは単純なコピー&ペーストから。慣れてきてから変化をつけ始める
専門学校でAdobe Illustratorを習得してから、手描きではかなり時間のかかるコピー&ペーストが簡単にできることに感動し、始めはこのようなどこかでみたことのあるような模様を大量に制作していました。
線対称や点対称を繰り返すことで出来上がる模様です。
しかしそれを続けるうち、同じような模様の大量生産ではつまらないと感じ、コピー&ペーストなどの規則性・法則性に囚われない模様は描けないものかと考え始めます。
そこで考えたのが、下の様な模様デザインです。
色や形にある程度の統一性を持たせ、あとは自由に描くという感じで制作しました。
こちらの”ある程度の統一性”は「正方形」です。
正方形をベースとして中に様々なデザインを入れただけですが、まとめて並べればそれなりに模様っぽくなりました。
次にこれは手書きで描いた模様で、「色」「曲線」が”ある程度の統一性”です。
曲線の交差で出来た升目に、それぞれ同じ配色で曲線の模様を入れただけです。
こちらの方がより模様っぽい統一感があると感じると思います。
Adobe Illustratorを使えるようになったメリット
ちなみにですが、Adobe Illustratorを使えるようになったのは、自由な模様を描けるようになる上ではとても重要な要素でした。
ボタン一つで修正できたり、簡単に色をつけたり、手描きでは相当時間がかかる加工も一瞬でできるので、いろんな描き方を簡単に試すことができて手描きよりも圧倒的にアイデアを出しやすかったからです。
また試しにやってみた加工なども簡単に保存でき、ファイルでまとめて管理ができるという利点もあります。
そうやって描き続けるなか、規則性・法則性を無視した模様の描き方というのを習得しました。
タダではないけれどAdobe Illustratorを使えるようになったことは模様制作を続ける上で非常に大きなメリットだったので、いずれはその使い方もお伝えしていきたいです。
実際の作例
では、他の作例をご紹介します。
先に「規則性・法則性を無視した」と書きましたが、厳密に言えば完全に無視しているわけではありません。
ランダムっぽい自由な構図に見えるけど、まとまりがあるようにも見える。
そのいい塩梅というのを感覚的に掴めるようになり、制作したのがこちらです。
これらの法則性についてはあえて説明を省きます。
じっくり見ていただき、どこに法則性があるかをぜひ見つけて欲しいです。
総柄(画面全体を埋め尽くす柄)はランダムなデザインがしやすいというのもありますが、このようにある程度の決まりごと(法則性)を持って描けばまとまりも生まれやすいのです。
ちなみにサイケデリック風の絵も模様として描いております。
図形を取り入れたり線対称になっていることがポイントです。
どうすれば見たことのない模様になるかを考えながら沢山描いていくと、「絵画」や「イラスト」のように意外と個性を出せるモノだということを理解していきました。
そうやって、独創性の高い模様を描くことが自分の中で一つのアイデンティティともなっています。
しかし見たことのある無難な模様デザインを習得したい方も勿論いらっしゃるので、どちらが良いという話ではありません。
模様と一言で言っても、このように自由な描き方もあるということを知って欲しいなと思っています。
世界各地にある民族文様からわかるように、模様というのは大昔から人間のアイデンティティを表す一つの表現方法でもあるので、既視感のない独自の模様を創作するというのは模様制作の醍醐味なのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は模様の描き方の中でも「オリジナリティの高い自由で面白い模様」について、ご説明させていただきました。
もちろん、いわゆる”ザ・模様”というデザインの描き方も丁寧にご紹介したいと考えていますが、模様を書くことにハマり描き続けるうち、結局最後はどなたでも「見たことのないオリジナルの模様を描きたい」と思うはずなのです。
まだまだ道のりは長いですが(特に説明する側の私の準備が…笑)、ぜひ模様の面白さに触れて楽しんでいただきたいなと考えております!
楽しみにお待ちください。