模様の描き方の超基本!アイデアで悩む前に絶対に覚えておきたいこと。

模様ってどうやってアイデアが浮かぶの?

そんな質問にお答えする前に、今回はその前に絶対知っておいて欲しい「超基本の模様の描き方」についてお話いたします。

前回までは「描くこと」そのものに慣れていただきたく、グリッドノートを使用して直線・曲線そして模様を描いてみようという記事を書きました。

グリッドノートはマス目がある分、直線だけで作る模様や曲線のアタリのつけやすさなどが慣れてない人にも描きやすいかなと思い、まずは「描いてみる」ということにフォーカスを当てました。

そこで実際に、家族にも記事を読んで描いてもらったところ「描けるは描けるけど、模様って発想の仕方がわからないかも〜」っと言われました。

どういう模様を描くのかというイメージを頭に思い浮かべて描かないと、描く技術は理解していても模様として完成させにくい、とのことです。

これを言われて「あ、そうか」と気づきました。

今まで私は「模様の描き方」と言いつつもどうアイデアを思いついて描いているのか、そのあたりを全くお伝えしていませんでした。

まず一般的に、模様というのは「装飾」というデザイン寄りの分野なので、構成や構図などの分析についてや、型にはまった制作手順などのハウツー本は結構あります。

しかし構図うんぬんの前に、完成イメージや制作を進める上である程度の創作(Creation)着想(Idea)の部分が必ずあるんですよね。

私も色んなインスピレーションを得ながら日々制作を頑張ってます。

…ですので、決まった発想方法は特にありません。

人の数だけアイデアがある、と言えば分かっていただけるかと思います。笑

ということで今回は、無限にある発想方法を無闇にお伝えする前に全ての模様共通、発想のヒントとなる超基本的な模様の考え方をお伝えしていきたいと思います。

絵画やイラストでいうデッサンのような基本部分と考えてもらえるといいかと思います!

そしてどういうことを考えながら模様を描いているのか、私なりの発想方法についても今後徐々にお伝えしていこうと考えております。

模様を描く上での超基本的な考え方

以前の記事で、模様というのは線画の側面もあるとお伝えしました。

しかし一つの線では模様は成り立ちません。

例えば、直線を描いたとします。

それをただそのままにしておけば、単なる直線にすぎません。

しかしそれを、円を描くように等間隔で並べていくとどうでしょう。

花火のような、サークル型のシンプルな柄が浮かび上がります。

でもこれじゃあ、まだ模様だとはハッキリ言えないですよね。

では、それを線ではなく太さを持った長方形にして、さらにいくつか並べて見ます。

どうでしょうか。

直線だけの一個よりは断然、模様っぽくなりましたよね。

前回の記事(グリッドノートで模様を描く実践ワーク)でも、似たようなことをしました。

同じ線や図形をある一定の法則を持たせて連続して並べることで、一つの模様が出来上がるのが模様制作する上での超基本的な考え方となります。

この模様で言うとその法則は、一点を中心に円を描くように角度15度ずつ等間隔に直線や長方形を配置し、さらにそれを等間隔に何個も配置する、ということになります。

文章にすると非常に長いですが。笑

模様を描くときの2つのプロセス

では実際、この花火のような模様デザインをどういう流れで思いついたのか?という点をご説明します。

これはあくまでも私の場合ですが、模様を描き始めるとき、完成図をイメージしてから描き始めるケース完成図を何もイメージしないで描き始めるケースとがあります。

例えば、上記の模様を描くとしたら2つのプロセスがあります。

完成図をイメージして模様を描く

まず一つ目は『花火のような丸い模様を描きたい』といった、完成図をイメージして描き始めるというプロセスです。

様々な模様を真似して描くうちに、シンプルでも複雑でも模様というのは全て『同じ形が繰り返し並ぶことで成り立つデザイン』だということを理解していきました。

そしてその繰り返し(連続)やり方(配置の仕方)次第で、同じ長方形でも違う雰囲気の模様が様々描けるということです。

一つのパーツをどう繰り返すか、それによって最終的な模様の印象というのは大きく変わりますので『丸い模様を描きたい』と考えたら私の場合はサークル型の繰り返し方法で描きます。

そしてさらに一個じゃ物足りない・雰囲気が出ない…と感じたら、単純にその模様を何個も等間隔に並べるだけでファブリックに使えそうな模様デザインとなるわけです。

もし『波のような模様を描きたい』と考えたら、同じ長方形を使う前にまず波線を描き、そこに長方形を並べてこのような繰り返しをして描きます。

こうやって、最終的な模様の完成イメージを確定してから描く、というのが一つ目のプロセスです。

曼荼羅模様なんかは、まさにその最たる例です。

SNSなどで #マンダラ #マンダラアート #mandala などと検索すると、山のように似たようなデザインの模様がヒットします。

これらは一定の描き方の順序があるのですが、いくつかのパーツを円を描くように繰り返し描き続けることで、大きな曼荼羅模様が出来上がっていきます。

もちろん、直線や長方形だけでなく様々な形のパーツを織り交ぜるので細かい部分は描きながら考えていくこともありますが、「曼荼羅模様」という最終的な完成イメージを目指して色んなパーツをサークル型に等間隔に配置して作っていきます。

そうやって制作していくので、曼荼羅模様というのは完成をイメージして描く模様の代表例だと言えます。

描きながら模様を構築する

二つ目は、特に完成イメージを確定せず先に良いパーツ・気に入ったパーツが描けた場合です。

パーツとは、さっきの模様で説明すると赤い丸の直線・長方形がそのパーツに当たり、繰り返しをする対象そのものを指します。

たださすがに直線1本・長方形1個で”良いパーツが描けた!”とは思わないので(笑)、一つの参考としてs下の模様も見てみてください。

この模様もは赤い丸で囲ったパーツがサークル型に等間隔に並べられています。

そして水色の丸で囲った部分は、赤い丸のパーツを小さくして等間隔に並べたモノです。

このように、パーツとなるものを先に描いてそこからどのように配置をするか、描きながら模様を考え構築していくのがもう一つのプロセスです。

完成図をはっきり決めずに、描きながら模様を作り上げるということです。

例えば、このパーツを使って違う繰り返し(反復)方法で模様を作ってみます。

同じサークル型ですが、パーツの角度や繰り返す数などを変えるだけで雰囲気が変わると思います。

まだIllustratorを使っていない頃は全て手描きで仕上げていたので、配置や構図は一度決めたら簡単には戻せないし、かなり悩みながら描いていました。

でも今はIllustratorを使えば色んな構図や並べ方を簡単に試せて、気に入らなければ簡単に元に戻せるので非常に便利だなぁと感じます…。

Illustratorを使えるようになったのは専門学校へ行ってからですが、そこから模様制作のスピードも量も質も格段にアップしました。本当にすごいツールです。

・・・

話は逸れましたが、このように『こういう模様を描く』と完成イメージを固める前に、良いパーツが描ければそれを自由に並べて模様にしていく、という方法を取ることもあります。

アイデアを出す上で一番重要なポイント

二通りのプロセスで何がわかるかというと、特定のパーツを一定の法則性を持って繰り返せば模様が完成するということです。

一つ目のプロセスだと完成形がすでにイメージされているので、そのイメージに沿ってパーツを連続配置すれば模様が出来上がる、ということがわかります。

そして二つ目のプロセスでは、完成形のイメージが固まっていなくても何かしらパーツを作ってそれを繰り返し並べれば模様が出来上がる、ということ。

つまり模様の発想方法で一番重要なポイントは「繰り返し」や「連続性」「反復」が模様を制作する上での基礎と理解することです。

それが分かってからようやく、以前少しお話した世界共通認識の模様(パターン)制作の法則がとても役に立ちます。

それは、無限にありそうに思える連続方法のバリエーションをギュッとまとめているものです。

これさえ押さえていれば、ベーシックな模様なら描けたも同然です。

独創性のある模様が描けるかはさておき、一般的に模様と言われて想像するような見覚えのある装飾デザインがとても制作しやすくなります。

さっきの直線や長方形だけでも、シンプルではありますがその法則さえ知っていればあのように模様っぽいデザインが出来上がります。

繰り返すパーツが直線や長方形でいいなら、発想力も何も関係ないですよね。

法則に沿って描けば、どんなパーツであれそれっぽい模様が作れるというわけです!

他にも、例えば円や三角形だけでも色々繰り返せば模様は作れちゃうわけです。

これが、模様制作をする上での一番のポイントです。

まだ法則をよく知らなくても、今後一つずつご紹介したいと考えておりますので、とりあえず今は 繰り返しや連続性・反復が基礎と覚えておきましょう。

あ、ちなみに「どんなパーツでも」とは言っていますが、基本的には抽象的な形がわかりやすくていいです。

何かのキャラクターとか具体的なイラストを繰り返し描いてみてもいいですが、それだとそのパーツの印象の方が強くなりますので、出来上がってもそれが模様なのかどうか少し分かりにくいかもしれません。笑

まとめ

■模様制作の基本

・同じ線や図形などのパーツを、ある一定の法則を持たせて連続して並べる

■模様を描くときのプロセス

・最終的な完成図をイメージして描く

・先にパーツを描き、それを元に構築する

模様制作には決まった法則がある

・繰り返しのバリエーションをまとめたもので、世界共通の法則

(今後、当ブログでも紹介します)

今回は、模様の発想方法を考えるにあたって一番の基礎となる「模様とは繰り返し・連続性・反復でできる」ことを理解する、について記事にしました。

同じパーツを一定の法則で繰り返せば模様になる、これはアイデアを出す際にかなり役に立つのですが、それに付け加えて私には他にもアイデアや着想を得る方法があります。

それが絵やイラストの発想力と同じ部分になり、色んなモノやコトから日々インスピレーションを得て模様制作にどう還元するかなどを考えています。

なのでまずは模様の基礎を押さえて、それ以降は発想次第でアレンジしていきましょう。

次は私の今までの制作例をもとに、私なりの発想方法もご紹介していきます。

と言っても、中にはかなり自由に描いているモノもあります。

見る人によっては、装飾デザインとして見たら「正しい模様の描き方じゃない」なん言われちゃうかもしれませんが。

ただ「模様の描き方」は本やネットで調べれば割とすぐ見つけられますが、発想方法について説明している記事は結構レアだと思います!

ご興味ありましたらぜひ引き続きご覧ください。

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サイトウ ミキ
30歳で脱サラした模様クリエイター。 模様を描き模様のことばかり考えながら、絵や写真・造形物や雑貨など色々と派生しながら創作活動をしています。 ●20年以上独学で描き続けた模様について、基本の描き方から応用編・世界の民族文様や日常にある模様・模様から考える人生観等々、色々マニアックに発信していきます。 ●社会人になって絵や創作などの時間がなくなり ”たった一回の人生これでいいのか”と悩み続け、30歳でようやく脱サラ。当時は周りに相談できず一人で悩んだ経験から、同じような境遇の人に自分の実体験を少しでも伝えるべく脱サラ関連の記事も書いています。 ●現在、自分の人生の最優先事項は”楽しい”と思えること。創作はもちろん趣味のカプセルトイや雑貨屋巡りなど、大人になっても”楽しい”と思えることをご紹介していきます。
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