デザフェスvol.60の備忘録、第二弾となります。
前回の記事では、売上など総合的に見た反省点をまとめました。
デザフェスが終わってから時間が空いてしまいましたが、今回は具体的で物理的な反省点に焦点を当てていきます。
早速ですが”物理的な反省点”とはなにか、下記に簡単にまとめました。
- 準備期間のスケジュール管理
- ブースのレイアウト・ディスプレイについて
- 会計と在庫管理をアプリで対応
スケジュール管理は単純に自分の悪い癖ですが、プロを目指す以上”今後絶対してはいけないこと”という意味で非常に勉強になりました…はい。
逆に良かったこともあり、今回初めて使ったアプリが非常に優秀でして。それは当日の会計と在庫管理で役立ったものです。
一度まとめて記事にしてみたところレイアウトやディスプレイの内容でかなり長くなったため、準備期間の話と役立ったアプリについては次回の記事にします。
今回は当日のブースのレイアウト・ディスプレイについてを記事にまとめます。
毎度お馴染みのレイアウト・ディスプレイ問題
ブースのレイアウトやディスプレイ。これは毎度毎度、イベント終了後に必ず一番の反省点として出てきます。。
特にデザフェスでは出展するたびにレイアウトやディスプレイの反省点が生まれるという沼にはまっております。
記事では3回分しか上げていませんが、実はこれまで6回出展しています。
デザフェス以外のイベントもカウントすれば、約10回以上は出展経験があります。
そのたびに「ブースのこの部分がな〜」という反省点が多く、なかなか理想に巡り合わないのが現実です。
なぜ毎回ディスプレイの反省点が出るのか
これって正解がないのかも?とも思いますが、一つ確実なことを言えば「世界観を出しつつ見やすいレイアウトやディスプレイ」ではあると理解しています。
しかしなぜか毎回、反省点が出る始末。一夜漬けの前々回はともかく(記事あります)、今回は出店が決まってからずっと構想は練っておりました。
なぜうまくいかないのか。その原因を考えた結果、おそらく出展のたびに商品のラインナップ・数量が大きく変わることが大きな理由だと気づきました。
一言で「見やすいレイアウト/ディスプレイ」と言っても様々な方法があり、それは商品によっても変化します。
もし毎回同じ商品を同じ数だけ出していれば、良い方法を見つけていないとさすがにマズいです。。
言い訳になりましたが、今後もイベント出展を続けるならどんな商品数でも満足できるレイアウト/ディスプレイを作れるようになる必要があり、そのためには回数を重ねてマイナス部分を削り、良い部分を組み合わせていくことだと考えています。
そのため今後をどうするか考える前に、ひとまず今回のマイナスだった部分を記録していきたいと思います。
初めての丸々1ブースで、気合十分!
今回のデザフェスも友人作家と合同出展しましたが、今回から初めて一人1ブースを使用することにしました。
デザフェスは6回出展していますが、一人で一つのブースを使うのは今回が初めてです!
ブースの大きさは横180cm×奥行き90cmです。
そこにデザフェス本部からレンタルしたテーブルと丸椅子を一つずつ置きました。
後ろなどに置くパネルは予算オーバーのため、ここ数年レンタル備品の候補には含めておりません。
売上が安定してレンタルできるようになるか、代用品を自作で用意するかの二通りですが、今のところ経費を割くほどの必要性を感じていないのでテーブルだけの展示で頑張っています。
今回レンタルしたテーブルは横幅180cmです。
これは合同出展した友人作家が隣のブースで、そちらが横幅150cmのデスクだったからできた配置です。
もしこれを読んでくださっている方の中で一人でデザフェスSブースに出店される場合、横幅180cmのテーブルはお勧めできません。自分が出入りするスペースがなくなってしまうからです。
自分が出入りするスペースは自分のブース内での確保が絶対となります。勝手に隣のブースの隙間から出入りするとトラブルの原因となるのでご注意ください。
私は今回、隣の友人のブースの隙間から出入りさせてもらいました。
話がそれましたが、初めて180cmの一番大きいテーブルを使用するという事で、商品の制作と合わせて当日のブースの使い方にもそれなりに気合いが入っていました。
そしてできたものがこちらです。
早速ですが、前回と違う点を挙げます!
前回のレイアウト/ディスプレイとの違いは?
▼フロントスペース(商品陳列部分)
- テーブルの横幅が90cm→180cmの2倍に。一人で全て管理(前回は友人と1つのテーブルをシェア)
- 盗難防止対策として、立体キーホルダーは簡単に触れられない仕様に。
- 種類が多い商品はサンプルや各一ずつの陳列にして全デザインを見やすく。
- 中身がわからないガチャ形式のカードくじはデザイン一覧をすぐ隣に置く
▼バックスペース(お客様から見えない部分)
- 買い物袋やアテンションカード等、ご購入者にお渡しする物はケースに入れて足元に
- お金や待機商品など、見られたくないものは死角であってもテーブルに置かない
- レンタルした丸椅子が大活躍。体力に自信がない場合はあると安心
などでしょうか。
バックスペースは自分の使いやすいように、100円ショップで棚や折り畳みの箱などを用意しました。
問題はフロントスペースです!
マイナス点① 盗難防止対策で商品が見えにくくなる
今回の目玉商品も前回同様「立体キーホルダー」でした。
そして今回は前回より倍以上の数量を用意しておりテーブルも倍ほど広くなるため、一人で管理し切れるかの不安があったので「盗難防止」を優先したディスプレイを考えました。
もちろんないとは信じたいのですが、細かい商品が多いと目が届かない部分も増え、お客様でブースが混雑してきた時にどさくさに紛れて盗まれてしまうこともよくあるらしく、対面販売イベントの注意すべき点です。
前回は裸でディスプレイしていたところ、ライブコマースであろうお客様が躊躇なくいくつも手に取り、会計までの間ずっと握りしめて離さなかったのでハラハラしました。
それを踏まえ、今回の立体キーホルダーは多いので、目の届かないところで最悪盗難に遭う可能性を感じて対策を考えました。
それと強度の面で若干の心配があり、破損防止にもなると閃いたのが今回のレイアウト/ディスプレイです。
しかし結果として、商品が見えにくい・分かりにくいブースの使い方となってしまいました。
全身!立体キーホルダー:目玉商品なのに目立たず
▼クリアケースに入れて陳列。簡単に持っていかれないように。
これが全く目立たない存在になったのは下記2点が原因です。
①位置的に見えにくい場所に陳列(手前でも高さがあるわけでもない)
②クリアケースだと光が反射して中身が見えにくくなる
意外でしたね…どちらも当日会場でやってみてわかりました。悔しいですがシミュレーション不足です。
まず①の原因として、他の商品も細かくて小さいものが多く、位置的に他の商品に囲まれて埋もれてしまったのです。よく見ると「あ、なんかいるな」くらいな感じに。
しかし逆に、お子様には反応が良かったです。
おそらく、目線の高さがちょうどフィギュアの位置で目が合ったようです。「いっぱい目があるよ〜」とジッと見つめてくれたお子様もいました。嬉しかった。
それに反応して親御さんがブースに立ち止まってキーホルダーを購入していただいたり、良い面も勿論ありました。
しかし全体的に見ると目立っていないのは確かです。
今後は、これは間違いなく目玉商品だ!とわかるディスプレイに仕上げたいです。
顔だけ!立体キーホルダー:背景なしでは目立たない
▼メッシュボードに結束バンドで固定。
こちらも目立たなかった理由があります。
①メッシュボードだと背面が透けて商品が目立たなかった(前回は黒地ボード)
②結束バンドで留めていてすぐ手に取れず、近くで見てもらうには奥に置きすぎた
これも実際、当日にやってみて気づきました。
「顔だけ!立体キーホルダー」はカラフルな色合いと一個ずつ違う模様デザインが売りです。それを目立たせて見せるためには、やはり背面が黒地じゃないと目立たないんですよね。
また、結束バンドも良くなかったと感じます。念のため裸の状態のサンプルはすぐお見せできるよう準備していましたが、実際売っている物を手にとってみたいものですよね。。
予想が外れてお客様で混雑することもなかったので、途中からフックなどに切り替えれば良かったですが。その用意もできていませんでした。
以上のことが、盗難防止対策が逆効果だった点です。
逆効果というより、余計な心配だったという感じです。
全て自己責任のイベントなので盗難防止対策は非常に大事ですが、今回の売れ行きを鑑みると、まずは「これ欲しい!」と感じてもらえるようなブースの使い方が重要です。
次はそれをどう織り交ぜるか、熟考する必要がありそうです。
マイナス点② サンプルのみを陳列する場合
これは「ステッカー」と「アクリルキーホルダー(スクエア)」に関することです。
デザインの種類が多いその2点に関して、スペースの問題で今回から「デザイン毎に1点ずつ」のサンプル出しをするディスプレイにしました。
これ自体はスペースの圧迫を抑えられたので良かったですが、問題はその「指定方法」です。
サンプル一覧表に番号を振り忘れる
まずはステッカーです。
これはタイトル通り、ステッカーに番号を振り忘れお客様が指定しにくくなったことです。
こんなミスをする人は他にいないと思いますが、自分でも忘れていたことにびっくりしました。汗
結果的にお客様から様々な方法でお伝えいただき、それはそれで笑いが起きたりで楽しかったのですが、自分だったら番号がある方が買いやすいし、何より在庫管理が楽だったはずです。
ステッカーの在庫は一つのケースに入れて管理していましたが、小分けなどせずデザイン毎になんとなく並べているだけ。本来なら、番号毎に袋で小分けにし万全を期すのが真っ当な準備というものです。
これすらできなかったのは、準備が前日ギリギリにまで及び余裕がなかったせいかと思います、、。
見えにくい位置にデザイン一覧を貼る
次にアクリルキーホルダー(スクエア)です。
これもデザインが多いので、1点ずつ出して売れ行き次第でこまめに補充しようと考えていました。
そして肝心のデザイン一覧ですが、一枚にまとめてプリントアウトして貼り出してはいました。
しかしその場所に問題がありまして。
テーブルクロスが垂れ下げっているところに貼っていたのですが、誰も見向きもしていませんでした。。
このスペースはあまり見られないということをこれまでの経験で知っていたはずなのですが、テーブルには全く余裕がなく、当日の仕方なくの決断でした。
結局、アクリルキーホルダーに興味を持っていただいたお客様には商品を一個ずつ確認しながら選んでいただき、タイミング的に一個も出せていなかったデザインもありました。。
前回のデザフェスでは全てのデザイン分の在庫をボードに見やすく吊るしていたのですが、ほとんど見られず売れなかったので「まぁこれは一個ずつ出しておけば十分だろう」という判断をしたのです。
しかしなぜか今回はお客様の食いつきがよく、かなり多くの方に見てもらえたように感じます。
何が売れるかの予想は難しいです。。
というかそもそも、どの商品も本気で良く見せるための努力が必要です。
前回の売れ行きに惑わされず、どんな商品も最善のディスプレイを心がけることが大事だと学びました。
前回から変更して良かった点
ここまでマイナスな点を挙げましたので、最後に良かった点も忘れる前に挙げておきます!
それが「カードくじトレカ」のデザイン一覧表の置き場です。
前回も割と好評だったカードくじですが、ブラインドタイプのガチャ形式商品のため、どんなデザインのカードが入っているかの一覧を用意しています。
前回はその一覧表をテーブルクロスが垂れ下がった場所に貼っていました。しかもB5サイズで結構小さい。今回のアクリルキーホルダーのデザイン一覧表を貼っていた位置ですね。
「デザインの一覧表は下にあります!」と伝えても「どこ?」となっていたので、そのことがありこの位置は目に留めてもらいにくいと学んでいたはずなのですが…。なぜアクキーの一覧をそこに貼ってしまったのか!もう少し事前準備をしっかりするべきでした。
ただトレカだけは真横にデザイン一覧表を置くことを事前に決めていました。しかもA4サイズに印刷して少し大きめに。
そうするとかなりの方が目に留めてくれて、昔駄菓子屋で見たやつだ!とか、面白い!とかで引いてくださったのです。100円という低価格も良かったのだと感じます。
こういった低価格グッズでジオメトリーズを持ち帰ってくださるのも非常にありがたいことです。今後につながる可能性もあるかもしれませんし…。
実際、他のイベントでこのカードくじを沢山引いてくださったお客様が今回のデザフェスでもわざわざ私のブースにまで来て、また沢山引いてくださりました。これは本当に感動!
楽しみにしてくれている人がいるとわかっただけで、非常にやる気にもなりました。
今回のこの反応の良さは前回以上だったので、デザイン一覧が見やすい位置にありどんな商品なのかすぐにわかった、というのも一つの要因かもしれないです。
自分がその場にいれば接客で説明できますが、お客様が複数名いらっしゃったり自分が一時的にブースを離れることもあるので、見ただけで何がどんな商品なのかわかるようなレイアウトやディスプレイは大事ですね。
バックスペースの使い方
最後におまけとして、商品が見えるフロントではなく自分が立つバックスペースについてです。
デザフェスや主要なイベントだと、一番小さいブースは大抵めちゃくちゃ狭いです。
今回の私の場合、見取り図はこうなります。
見てもらえるとわかりますが、自分が立つスペースが非常に狭く、ある程度の我慢は絶対に必要です。
もしレンタルテーブルを「奥行き45cm」にしていれば多少広くなりますが、商品陳列のスペースは狭まります。
ではバックスペースには何を置いていたか、書き出してみました。
- 釣り銭用の小銭とお札
- ご購入時にお渡しするアテンションカード
- ショッピングバッグ(複数ご購入時のみ)
- ステッカー・アクリルキーホルダーの在庫
- ハサミ・ボールペン・マスキングテープなどの備品
- おにぎり・パンなどの軽食と飲み物
- ブースを離れる時に持ち出す小さいバッグ
などなど…結構ありますよね。
ちなみに搬入で持ってきたスーツケースや備品などは、まとめてテーブルの真下に置いています。
上記の物をうまいこと置きつつ、自分の立つスペースも確保するのです。
そのスペースは今回、180cm×30cm…。
横幅はともかく、奥行き30cmは激狭すぎます。
これを何度か経験していたので、今回は小さめの棚と折り畳み可能な箱(ケース)を用意していきました。
今までテーブルの空いたスペースに無理やり置いたりしていましたが、今回はできる限り足元にまとめて置けるように、まずは棚を用意。
その棚をうまく活用するために折り畳みの箱を用意。
立体キーホルダーを入れてきたプラスチックの箱もバックスペースで使いました。
それらにはショッピングバッグ、お金、アテンションカード、ステッカーの在庫などをそれぞれ分けて入れました。しかし…
結果的にぐっちゃぐちゃになりました。笑
結局、テーブルの死角にもアテンションカードなど色々置いてしまっていました。
当日どうしてもバタつくので、全て完璧に管理するには事前にしっかりシミュレーションする必要があります。お客様からは見えない部分ですが、スムーズに接客するためにも大事な部分です。
しかし前回よりは断然使いやすくなりました。
棚があるぶん足元を有効活用できたので、テーブルの隙間を無理に使う必要がなくなりました。
あとは自分の立つ(座る)スペースを考えながら、何をどこに置くか吟味すれば、次からは多少快適になりそうです。
ちなみに商品陳列で使っていた棚のスペースも利用しました。
棚に布をかけていたので、使用していない二段目を裏から使用していました。こういった工夫も意外と楽しいものです。
椅子のおすすめは「丸椅子」
最後に、今回強く感じたのがレンタルの丸椅子のありがたみです。
デザフェスは流動的にお客様の波が押し寄せるので、人が減る/増えるタイミングが全く読めません。
店番を雇う余裕がない私はずっとブースにいる必要があるので、お客様が少ないタイミングで急いでおにぎりやパンを頬張っているのですが、椅子がないとしゃがんで食べるか堂々とお客様の前で食べることになります。笑
また、お客様が自分の商品を見てどう反応されるか知りたいので、大抵の出展者はずっとブースにいるように感じます。
その時、丸椅子のようにすぐ座ったり立ったりできる椅子があると非常に便利で。サッと座って見えないところでモグモグしたり休むことも可能です。
これがパイプ椅子(折りタタミ椅子)だともたつきますし、何よりスペースを無駄に奪われます。
パイプ椅子にずっと座りながら接客する方もたまにいらっしゃいますが、何かで読んだことがあるのが「椅子に座りながらの接客の印象の悪さ」です。
これは人それぞれ、イベントごとでも印象は違うと思いますが、お客様の立場で考えるとやはり同じ目線で話しながら接客される方が印象はいいんだろうなと感じます。
かといってずっと立ちっぱなしも普通に疲れますから、体力に自信がない人は椅子がないと後半余裕がない接客になる可能性もあります!
レンタルでなくとも、折り畳み等の小さい椅子があるならそれも全然ありです。
経費削減で椅子をレンタルしない時もありましたが、比べると絶対ある方が良いです。疲れて余裕がなくなる可能性が減るので、最後までイベントを楽しむことができます。
まとめ
以上、サイトウミキなりのデザフェスvol.60のブースの使い方(レイアウト/ディスプレイ)について反省点をまとめました。
こう並べてみると、自分のことしか考えていなかったな…という反省点が多いです。
立体キーホルダーの防犯対策しかり、お客様目線というよりかは自分がいかに当日焦らず対応できるか、こればかりに気がいってしまった結果です。
もちろんそれも大事なのですが、やはり対面イベントの目的はお客様との交流です。
お客様にワクワクしてもらえるようなブース作り、これが何より大事だと強く感じました。
もともと人気があるならディスプレイに凝らなくても商品は売れますが、無名で知名度の低い自分にとっては、その場で「楽しい・面白い・欲しい」と感じてもらう工夫が要るんですよね。
また、デザフェスのような大規模イベントでは目立つことが重要に思われがちですが、自分で作った商品をどう見せたいか・どういうお客様にどう気づいてもらいたいか、これを考えながらディスプレイを決めるのも楽しいだろうなと感じました。
目立ちつつ、世界観のわかりやすい、見やすいブース作り。
簡単にまとめればそんな感じですが、これが難しいです。何度も経験してベストを探していきたいと思います。
今回の記事は自分の反省点をまとめただけでしたが、デザフェスや対面イベントの初心者の方にも何かしら参考になる部分があれば幸いです。
次回は、残りの反省点「準備期間の使い方」と「便利だったアプリ」についてをまとめて記事にします!